浅草の路地奥にある古民家カフェ、「つむぐり」さん。
古民家カフェとひとくくりにしてしまうのは忍びないくらい居心地の良いカフェ。
つむぐりさんは、下町であることを忘れてしまうくらいの静けさに包まれています。
浅草駅から徒歩15分程度で散歩にちょうど良い
駅からは浅草寺から離れるように浅草4丁目の方へと北上します。
この日は途中、地元の縁日のようなものが開かれていました。
縁日にしては少し落ち着いていたというか、慣れている感じがあったのでもしかしたら定期的に開催しているのかもしれませんね。
こういう路地裏の雰囲気がなんともこの東京の東側の下町らしい雰囲気を醸し出していて個人的にはとても肌に合います。
角を曲がると、こんな素敵な景色に出会えるのも魅力。
きっとちょっと前までここで子供たちが遊んでたんだろーなとかそういう想像を膨らませてくれます。
と思うと、つむぐりさんがある場所が実に「生活に近い場所」であることがわかります。
やはり街とカフェというのは相互に作用していて、この件でもわかる通りカフェというのは決してお店の中で完結するものではないんだとつくづく思います。
どれだけ似たようなお店が増えようと、そのお店のある場所が違えば全然違ったお店で、駅から歩いていく僕らの「体験」も違う。と。
地域に根差しているというか。
にしても、こういうの久しぶりに見ましたねー。
やっぱり子供がこの裏路地で遊んでいるこの感じが、東京の東側の下町な感じですね。
つむぐりはうっかりすると通り過ぎるような場所にある
つむぐりがあるのは、こんなとこ。
路地裏のさらに路地裏。
隠れ家と呼ばれるのもうなずけます。
野良猫とかが隠れていそうななんとなくのどかな路地です。
オーナーが元々WEB系の仕事をされていた方だからか、wi-fi完備だったり電源席があるのも嬉しいポイント。
つむぐりさんの店内はとてもセルフビルド
ご存知の方も多いかもしれませんが、つむぐりさんは築70年の廃屋を自ら改装し、オープンしているお店です。
ご自身の手で作ったということもあり、空間の至る所にその「居場所づくり」のこだわりが感じられるんです。
お店を入ってすぐの廊下。
ほの暗いですが、優しい雰囲気。
木造らしい香りとコーヒーの風味がいい具合にブレンドされて漂っています。
なんとなく懐かしいようなノスタルジーを感じる人も多いのではないかと思います。
ファッションとしてではなく、生活スタイルとしてのカフェ。
「ここで時間を過ごすことに価値がある、長居するならこんなカフェ」
という考え方を基にお店を作っています。
そう語る店主さんの思い・こだわり・意思が随所に感じられるそんなお店づくりをされています。
やっぱりそういう風に全力でコンセプトを体現しているのは、否が応でも伝わってきます。
「あー、きっとここでこんな感じにゆっくりしてほしいと思って作っているんだろうな」
と、実際に話をしなくても、そう伝わってきます。
すでにそこでお店の「おもてなし」を受けている感じがして、それでいて対話をしているかのような気分にもなるんです。
画一的な席ではなく、どの席も表情が違って実にいい。
ちょっと田舎の家具屋さんというか木工の工房にでも売ってそうな長椅子。
そしてこの席、火鉢があるんです。
店主さんに聞いたところ時折、火も入れているようで冬に来てここでぬくぬくしながらしっぽりコーヒーを飲みたいなーなんて妄想も膨らみます。
2階へ続く階段。
さすがに築70年とあって、階段もなかなか急勾配です。
とはいえ、手すりが付けられていたりニスで丁寧に塗られていて、ほんとに手が加えられているなーと。
長いテーブル席。
このテーブルも自作なんでしょうかね。ヤスリが丁寧にかけられているスベスベしてそうな机です。
どうやらこのスペースはイベントスペースとして貸し出しもしているようで、よく見ると奥に投影用のスクリーンも見受けられます。
つむぐりのかわいらしい小物たち
つむぐりさんは色々小物も印象的です。
こちらはまず店員さんをお呼びするための「ベル」です。
最初これがなんだかよくわからなくて、「あ、ベルだ!」と気づいた嬉しさのあまりチリンチリンと鳴らしていたら、1階から「どなたか呼びました?」と店員さんがひょこっと現れまして・・・。大変申し訳ないことをしました。
音はわりかしクリアで聞きやすいです。
こちらもなかなか不思議なペーパーウエイト。
陶器で作られた分銅みたいなデザインですが、どうやら元々はこの家の電気配線で使っていた部品だそうで。
たしか絶縁体で使っていたとかだったかな?
かわいらいしいデザインでそれなりに数もあったのでこのまま使ったんですかねー。
牛乳にこだわり、コーヒーが苦手の人にもつむぐりのメニュー
店主さんの奥さまが作られたというメニュー。
手書きの挿し絵が結構かわいらしいんですよね。
ミルクコーヒー。
つむぐりさんの看板メニューのひとつです。
「有機牛乳 香しずく」というご当地牛乳グランプリにて最高金賞を受賞した冨田ファームさんの牛乳を使用しているそうで、とてもまろやかなお味が印象です。
そしてこちらが季節のフルーツサンド。
これまたつむぐりさんの定番メニューだそうです。
今回はメロンでした。
クリームがとてもやわらかいんですよね。味が。
メロンの味を殺さずに、とはいえちょっとクセのある味。
ヨーグルトと甘酒を使用したクリームのようで、個人的にはこのクリームはとても好みでした。
ホットサンド。
こちらも週替り。アツアツで月並みな言い方をすると「外はサクッと、中はモチっと」というそのままの感じ。
コーヒーです。
コーヒーは基本的に軽めなお味。
注文するときに「うちのコーヒーは結構さっぱりめなので、濃い目がお好みでした濃くお入れしますよ。」とお声がけくださったのは嬉しかった点のひとつです。
コーヒー苦手な方もたしかに「飲んでみようかな」ってなるかもしれないな、と。
カフェつむぐり
住所:〒111-0032 東京都台東区浅草5丁目26−8
tel. 03-6337-5869
定休日: 平日(2017/4/27〜変更)
営業時間: 土日祝12:00-18:00