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松本山雅FCに見るビジネス・地方創世の未来

2015年8月21日


松本山雅FCというチームをご存知ですか?

サッカーに興味がない方はご存じないかもしれません。
実はJリーグチームのひとつです。

それも、ここ数年で急成長を遂げJ1リーグで奮闘しているチームです

松本山雅FCとはどんなチーム??

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松本山雅FCはその名の通り、長野県松本市を拠点にするサッカーチームです。

松本市に古くからあった喫茶店「山雅」がその由来で、始めは趣味志向の強いチームだったとか。
それが、2005年頃からJリーグを目指し、あれよあれよの内にJ1にまで昇格したチームです。

キッカケは、ある海外選手の一言?

そんな松本山雅FCがJリーグを目指すのにはあるキッカケがありました。

2001年、サッカー不毛の土地である松本市にどういうワケか、「アルウィン」という2万人収容のスタジアムが建設されます。

2万人といえば、J1規格のスタジアム。それが、プロサッカーチームのいない松本に出来たワケです。

1年後、この「アルウィン」は2002年の日韓W杯の際、パラグアイ代表のキャンプ地として使用されます。

で、パラグアイにはチラベルトという有名な選手がいるんですが、彼が「こんないい競技場あるのに、なんでチームがないねん!」的なことを会見でつぶやいたんですね。

そしたら、松本市内でその機運が一気に高まりまして、元々郷土愛が強い松本市民のバックアップもあり7年後にJリーグ昇格を果たします。

松本山雅FCのココがスゴい!

破竹の勢いの快進撃!

2005年にチームとして法人化して以降、

2008年・2009年ー天皇杯にてベルマーレ平塚や浦和レッズを倒すという番狂わせ
2010年ーJFL(いわばJリーグの3部リーグ)への昇格
2012年ーJ2への昇格
2015年ーJ1昇格

と、わずか10年の間に一気にのし上がってきた。
もちろんその道なりは険しく、紆余曲折したものだが、それがまたファンを引きつけるストーリーにもなっているのでしょう。

例えば、元日本代表監督の反町監督の就任や先ほどの天皇杯でのジャイアントキリング(番狂わせ)ゲーム。それから松田直樹選手の存在。

元日本代表である松田の3部リーグへの電撃加入は話題を呼びましたし、その「松田選手の死」(練習中に心筋梗塞により死去)はサッカー界にも衝撃を与えました。

そしてこの出来事がこのチームの原動力のひとつであることは間違いないと思います。

盤石な経営力

個人的にすごいと思うのがこのチームの経営力。

サッカーチームとしては昔から存在していたとしても、法人化したのは2005年。
いわばベンチャー企業と言ってもいいと思います。

そのベンチャー企業松本山雅が今現在、トヨタや京セラ、日立と言った企業がスポンサーにつくJ1で奮闘しているんです。

 

で、なにがすごいかって2005年の株式会社化以降ずっと黒字経営。
Jリーグ40チーム中16チームは債務超過というこのご時世に…

J2昇格3年目の頃はJ2の全21チーム中6位の経営成績を収めていたり、チームの躍進に会社の健全な財務体制が反映される良い例だと思います。(資本力とかという意味ではなく。)

Jリーグ屈指の動員力

松本山雅を語る際に必ず出るのが「集客力」「観客の熱気」

2万人近い収容力のあるホームグラウンド「アルウィン」が毎回満員御礼という。
で、その盛り上がりも尋常じゃないんですね。

「熱気」というと「浦和レッズのサポーター」も熱気があって有名ですけどそれとはまた違う「熱気」

しかも若者だけじゃなくじいさんばあさんまで飛び跳ねているのが山雅のサポーター…笑

 

「アルウィンを満員にすることが一番」という経営スタンス

J1昇格を目標に掲げず、「集客」に力を注いだのがこの経営陣の面白さ。

事実平均1万5千人近い動員数を誇っています。これはただでさえ高い数値です。
地方都市であることを踏まえると驚異的ですね。
人口24万人の街で週に1度、1万5千人が集うイベントってちょっとしたお祭り騒ぎですよ。

言うは易しですが、いま現在この集客を維持していることは「健全な経営」のセーフティネットになってるんでしょうね。

まるで自分のことのようなファンたち

前述した通りともかく熱気がすごい。

しかもとにかく良い意味で「自分ごと」

郷土愛あふれる松本という街だからこそ「自分たちの街は自分で作る」という思いからそうなってるのかもしれませんが…

「カープ女子」なんて話題になりましたが、山雅は女性サポーターも多いし、爺さん婆さんもいます。
親子3代で飛び跳ねてるんですからね、脅威ですよ。笑

でも、地方クラブ、いやスポーツチームとしてひとつの理想でもありますよね。

ほっとけない人が多いのか、親心的なところがあるのか、サポーターが主体的に関わるのも特徴です。
そのひとつの表れとしてボランティアも多く、スタジアムの整備や清掃もサポーターが取り組んでいて、地元に定着しているのがよくわかります。

それに応えるプレイヤーのプレー

松本山雅にビッグプレーヤーはいません。おそらく全選手の年俸で3億程度でしょうか。
それはある種市民チームの限界です。

ドラフト制度のないサッカーの世界で、スター選手の確保は資金力が命ですから。

でもだからこそ、ファンを裏切るようなプレーはしません。
みんなが熱狂出来るような試合をいつも見せてくれています。

そして僕自身感心するのが「ファールの少なさ」
なんだかいつも「警告の少なさランキング」で上位にいるイメージ。

まあせっかく見に行った試合が「フェアプレー」でなかったら興ざめですから。
そこは徹底的に選手たちが意識している部分だそうです。

終わりに

僕はサッカーをやっていましたが基本的に野球のほうが好きです。

しかし、プロスポーツの経営モデルという視点で見るとJリーグも嫌いじゃありません

例えば、

大企業が名を連ね、企業が直接オーナーとして出資し経営に携わり、チーム名に企業名を冠する「オーナー企業のぶら下がり」であるプロ野球。(例:読売巨人軍なら読売でオーナーはナベツネ)

一方で、
企業名をチーム名には含めず、地名を含め、オーナーを持たず、独自経営で各チームごとに黒字化を目指す「地域密着」のJリーグ。

Jリーグ発足時にきっと「企業の広告塔」であるプロ野球との差別化を目指したかったんですかね。
Jリーグでは企業はスポンサーにすぎませんし、直接というよりはそのチームの属する地域に出資している意味合いの方が強いですからね。

まあこうしたあたりのスタンスが結構好きです。

今後の松本山雅FCについて…

「未来への夢と感動へチャレンジ」
松本山雅FCの運営母体、株式会社松本山雅の企業理念です。

もうかなり実現してきている気もします。
「アルウィンスタジアムは劇場」と言われるんですが、選手・ファン・企業という各ステークホルダーがみんな主人公という意味なのかもしれませんね。

「地域」ー「企業」ー「ヒト」が三位一体になっているんでしょうね。

 

喫茶店の名前が由来とのことですが、いつか駅前とかに「カフェ山雅」みたいなのがもう一度出来て、山雅FCについてお客がみんなあーだこーだ言っている、みたいな感じなサロンみたいになったらなんかいいなと思います。

 

そんな好きな街、松本のサッカーチームのお話でした。

・松本山雅FC公式HPーhttp://www.yamaga-fc.com/

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