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ビジネス

「ANAの口ぐせ」からチームで成果を出すためのANAの仕組みがよきかな


どんな仕事であれ「チームで仕事をする」ということからは避けて通れないかと思います。

それは何も数十人、数百人を束ねるマネジメント層とかに限った話ではなく、3人とか4人とかで仕事をしているその各人それぞれに言えるお話。

 

僕も部下や後輩を持つ立場であるのはもちろん、元来「他人と協力して何かをする」ということがそこまで得意なわけではないので、どんなコミュニティであれ、「チームで仕事をする」という局面になったときはかなり色々なことを心がけている自負はあります。

で、今回この「どんな問題もチームで解決するANAの口ぐせ」を読んだ時に、そういう自分の中で暗黙知的になっていた部分が明文化された、そんな印象を抱きました。

ANAの口ぐせの概要

さて、この「どんな問題もチームで解決するANAの口ぐせ」という本書は、チームで仕事をする重要さを痛感しているANAグループでは社内にどのような文化があるのか、どのような言葉が浸透しているのかを解説している本であります。

 

僕の中で、ANA本・ディズニー本と呼んでいるんですが、どうもこの類は胡散臭いですよね・・。
ミーハー感が出ちゃうんでしょうか、食わず嫌いと分かりつつも。
ビジネス書の名前の付け方ってもうちょい品良く出来ないんですかね。

 

内容はいいのにもったいないです・・笑

 

あれなんですかね、当事者が書いちゃうから胡散臭いんですかね。

(とはいえ本書は、チームで仕事をするという観点だけでなく、「接客」「営業」という視点でもとても有意な内容なので、まだ別途触れたいなと思っています。)

結局、華やかに見える裏は異常なくらい地味なことの連続で、それがDNAになる

中味を読んでみると、実にごくごく当たり前のことが書いてあります。
が、同時にそれはその当たり前のことが出来ていない企業・個人がどれだけ多いかを物語ってもいますね。

私も新卒でデベロッパー系の会社に入ったとき、それを嫌というほど痛感させられたものでした。
「平凡なことを平凡にこなすこと、これすなわち非凡である」とよく社長から言われていたものです。

JALの経営破綻もありましたが、9.11やリーマンショック、東日本大震災など外部環境の煽りを受けながらも業績をV字回復してきた源泉もここにあると本書冒頭で語っています。

2001年9月11日に米国で同時多発テロが起きると私たちANAは、経営危機に立たされました。「空」「飛行機」への不安感に業界全体が覆われ、「この状態がいつまで続くのだろう」—そんな恐ろしい考えが、一人ひとりの社員の頭の中を、何度も駈けめぐりました。

この明日の見えない暗澹とした雰囲気やその悲壮感はその場に居合わせている中にいる人たちでないとわからないでしょうね。

当時どれだけの困難に直面していたかがヒシヒシと伝わってきます。

競合他社が経営統合や人材のリストラによる再建策を立てる中、私たちANAが行ったのが、「顧客満足の追求」でした。
お客様に本当に喜んでいただけるANAらしさとはなにか、そのことを徹底的に考え抜きました。

根底にあるのは「おせっかい文化」

「あれっ、大丈夫?」
「自分以外はみなお客様」
「小さいことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」

すべての口ぐせの根底には、私たち「TEAM ANA」に脈々を受け継がれる「おせっかい文化」があります。

私たちはこの言葉をポジティブな意味で捉えています、相手に「もう一歩」踏み込むことで、「もうひと言」を加えるだけで、相手との関係は劇的に深まります。それを一人ひとりが実践すると、「チーム」でコミュニケーションを活発にとり合う風土が出来上がります。

「まぁいいか」では済ませず、気づいたことは気づいた瞬間に口にする。そういう文化がANAの中にはあるようです。
もちろんこれは、現場スタッフの第一印象=会社の印象になりうる(これが意外とわかっていない会社が多いこと・・・)ということを個々人が意識しているという背景はあるんでしょう。

 

あるいは、「マジックフレーズ」ーいわゆるクッション言葉のようなものーを活用して相手を思いやる伝え方を工夫しているんだそう。

例えば何かを指摘するときも、「○○してください」ではなく「○○した方がもっとよくなるよ」というような言い方をANAのCAたちはよく使っているそうです。

 

とはいえこの辺りはある程度文化となりつつあって、行われていることでもあると思います。
ANAの真骨頂はこれだけではありません。

 

それは・・

何より会社としておせっかいができる『仕組み』を用意しているのがすごい

ANAの運行部門では前述したパイロット同士の「ハンガートーク」を発展させた形で、運行乗務員が「こんなヒヤリハットを経験しました」という発言をレポートで共有するしくみがあります。このしくみは「ECHO(Experience Can Help Others)」といいます。

一つの事例がこのECHO制度。
Experience Can Help Othersの通り、他人が経験したヒヤリハットを社内で共有しておくことで、その芽を摘むことが出来るのではないかという発想から行なっているそう。

 

ヒヤリハットというのは、聞いたことがあるかもしれませんが、文字通り「ヒヤリとした・ハッとした」事象のことを指しています。
この言葉自体は、安全を重んじる業界では今や一般的に使われていますね。
ハインリッヒの法則が根拠となっており、「ある重大な事故の陰には29件の軽度な事故があり、さらにその陰には300件のヒヤリハットが潜んでいる」と言われています。

で、このようなレポートを社内で共有するという仕組みをANAでは作っているんですね。
しかも重要なのは「なにが起きた」という観点なので、匿名制にして、積極的な発言を促しているという特徴もあるんですよね。

 

誰かに自分の経験を共有する、これ自体は「社風」とみなされがちですが、そうではなく、仕組みとして用意しているのがANAの素晴らしいところです。

ある程度、教育やトレーニングで「仕組み」で全社的に解決して、底上げを図るというのは素晴らしい試みだなーと。

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