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本質を見抜く力を身につけるべし。『本質を見抜く考え方』(中西輝政)はオススメの良書


ものの見方だとか、思考法のような本、あるいは本質的ななんちゃらみたいな本も色々出ていますよね。
それ系の中だとかなり良書だと思うのがこの中西輝政さんの書かれた「本質を見抜く考え方

政治学者が書いているということもあって、よく見かける起業家やコンサルタントみたいなビジネス系の人が書いたものと違い、歴史や政治学の視点から語る部分に実に知性や品を感じます。

何よりとても平易な言葉遣いで書かれているのが好意的。
「本質的に考える」ということを普段から意識している方は、この本を読んで、「本質的に考える」というのは一体どういう思考の流れなのかを言語化して理解する。「本質的に考える」ということをあまり考えたことがない人は、それによりどう視野が変わるのかということを念頭に置きながら読んでみると、よりいい読書の時間になるかと思うのでオススメです。

 

『本質を見抜く考え方』の概要

さて、著者の中西輝政さんがどんな方かをまずは簡単に・・

なかにし・てるまさ 1947年、大阪生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。三重大学助教授、スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て、京都大学大学院教授(総合人間学部教授を兼任)。専攻は国際政治学、国際関係史、文明史。1990年、石橋湛山賞、2002年、正論大賞受賞。 著書に、『情報を読む技術』(小社)、『大英帝国衰亡史』(毎日出版文化賞・山本七平賞受賞、PHP文庫)、『日本人としてこれだけは知っておきたいこと』(PHP新書)、『国民の文明史』(扶桑社)、『情報亡国の危機―インテリジェンス・リテラシーのすすめ』(東洋経済新報社)など多数。

国際政治学者で、安倍政権のブレーンと呼ばれることもあり(実際がどうかは知りませんが、)メディアでもちらほらお見かけ致します。

 

こうしたバックグラウンドやイギリスで政治を学んでいたこともあってか、世界という枠での視座の発言が見受けられるとこが一風変わっているかもしれませんね。

ごく一般的な意味でいって、正しいものの見方や考え方をするのはむずかしいことです。それは「正しい」ということが何を指しているのか、簡単には定義できないことからもわかります。

このあたりはまさにその通りですよね。
「正しい」とはなんなのか。こちらの正義があちらの正義とは限らないというような政治・国際関係の世界では、まさしく多面的な解釈が必要になるはずです。

 

内容紹介
一見もっともらしく見える他人の判断や見解に惑わされることなく、「自分の頭で考える」ためにはどうしたらいいか。
国際政治学者として、また歴代内閣ブレーンとして、つねに新しい情報を集め、検証し、自分なりの見解を導き出さねばならない立場の著者が初めて明かした、世の中の真実に迫るための53の実践的思考法。
内容(「BOOK」データベースより)

一見もっともらしく思える他人の判断や見解に惑わされることなく、「自分の頭で考える」ためにはどうしたらいいか。国際政治学者として、また歴代内閣ブレーンとして、つねに新しい情報を集め、検証し、独自の見解を導き出さねばならない立場の著者が初めて明かした、世の中の真実に迫るための53の実践的思考法。

全6章から成っていて、それぞれの章に「考え方1」「考え方2」といったように全章で50近い考え方がTipsのようにまとめられています。

 

文章がとても柔らかく、静かな語り口で、染み入るように入ってくる感じ。

 

隠居して田舎に住んでいるおじいさんが夕方に縁側で夕日を眺めながら、茶をすすりつつ、「そうだなぁ、こんなこともあるんだよ」ととても深そうで、子どもにも理解できそうで、でも本当のところでの「理解」はまだまだ至っていないんだろうなというようなそんな語り口。

 

ううむ、、わかったような気もするしわかってないような気もする。

 

そんな風な肌感で読み進められる本だなというのが読後感。
(難しい言葉を意識して避け、わかりやすい言葉で話そうとされているのが言葉の節々から伝わってくるのがその理由なんだろうな、と)

第2章、考え方21に僕は個人的に救われた。

30代後半まで、自分の好きな道では食べていけず「二足のわらじ」として生活しながら常に迷いの時期を過ごしてきたと語る中西さん。
「本質的に考える」ことのTipsに絡めながら、こうした身の上話を話してくれるのと一気に、

「中西さん・・!俺もおんなじだぜ!」

みたいな妙な親近感を持たせてくれます。そうした「将来を考えること」「回り道をすること」も「本質的に考える」ということへの気づきをくれたと言うお話に「大人感」を感じずにはいられません。

 

「好きなものにもっと早く行くべきだったかな」「回り道は無駄だったかな」と思ったこともありましたが、この年になって振り返ると、つねに迷いながら歩んできたことによって、ものの持っている多面性、一面だけではわからない、いろいろな面からの見方に気づいたということがあります。

まっすぐ行かずして、迷って進んできた。でもそれは「将来への投資」だと中西さんは語ります。簡単に結論を出さず迷うことは、考えを広げ、深めることであり、結果最終的にはもっとも効率的なんだ、と。

人間の本性として、相反するものを持っていたら、統一したいと思うものです。一方をスパッと切り捨てれば統一できますが、単に切り捨てたのでは、それは「浅い統一」になります。二つのものを持ったまま、試行錯誤しながらどうにか統一しようともがくとき、人には、両方をつなぐより深いもの、より大きなものを探求する思考や知性が生まれてきます。

「早くこの迷いから吹っ切れたい!」と簡単に迷いに結論を出してしまうことは、浅い統一で終わってしまうということでしょうか。これこそまさに「本質的」でないとも言えそうですね。

 

でもこの感覚はみなすべからく持っているのではないでしょうか。

作曲でも仕事でも、遊びでも、「こんなもんかな」と思ってやめるのと「さて、ここからどうするか」ともうひと踏ん張りして深みに潜り込むのとではそのあとの結果が違うなんでことはざらにあると思います。

 

むしろそこまではこなすべきルーティーンみたいな感じで、そこから入り口に入る感じというんでしょうか。
そこまでの思考はアトラクションの入り口に来たにすぎないんですよね。
そこからさらに考えないとそれは実は入り口に止まっていることになるし、でもそもそもそこまでしないとアトラクションの入り口にすら実はたどり着けてないという。

 

 

そのあといかに深められるか。

そうして臨界点を突破した先に、本質的な答えが待っているんだろうなぁ。

 

 

ということで・・・・

本の内容にほとんど触れられませんでしたが、本質的に物事を考えたいという方にはオススメです。

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