TET

ブレイクスルーを起こせば、人生ごぼう抜き

IMG_0760

ビジネス

【「分かりやすい説明」の技術】から4つの有用なポイントをご紹介します


今日は講談社ブルーバックスより藤沢晃治氏の書かれた「分かりやすい説明」の技術〜最強のプレゼンテーション15のルールという本のご紹介。

同氏の書かれた「分かりやすい表現」の技術という本の同シリーズで、前作は不特定多数の人に正しく意図を伝えるための表現の技術を道路標識や看板、広告などを事例に紹介されていました。
プレゼンテーションの本というよりは、分かるとはどういうことなのか、あるいはわからないとはどういう状態で、それをどのような状態に持っていくと「分かる」という状態になるのか、という内容に触れているのが従来のこれ系のほんと異なるトコロ。

ロジカルに話す、だとかKISSを意識して話すとかそういった類の本ではないです。

 

「分かりやすい説明」の技術の概要

ではamazonの著書紹介ページより、本書の概要を見てみましょう。

会議で自分の意図をうまく述べられず、いつも損をしていると感じている人。恋人に自分の不満を十分に分かってもらえず、いつも欲求不満な人。部下に意図がうまく伝わらず、部下が思い通りに動いてくれずに困っている上司。お客様に説明するのがヘタで、お客様を誤解させたり、怒らせてしまうようなことが多い人。話し下手で友達の輪に入れない人。優秀なエンジニアなのに説明下手な人。分かりやすい授業ができなくて悩んでいる先生。本書は、そんな人たちに読んでもらいたい本です。説明責任の重要性が叫ばれる昨今、人に正確に意図を伝える説明技能は、仕事でも日常生活でも、私たちにとってますます欠かせない能力となってきています。

恋人に自分の不満をわかってもらえず・・のくだりは、こんな左脳派な話が恋人相手に通じるのか、余計こじらせるんじゃないか?というツッコミはさておき、要するに、自分の意図を相手にうまく伝えられていないと課題感を感じている方に向けて書いているのが本書の特徴のようです。

なるほどたしかに、人に正確に意図を伝える説明技能というのは非常に重要で、とかく日本人は、「あうんの呼吸」というか「ツーといえばカー」とか、「以心伝心」とか「察して・・!」とか、空気感で伝わると思っている部分が大きいですよね。

だがしかし、この風習によって、ボタンのかけ違いがどれだけ頻発することか・・・!

特にシステム開発などをする場合、条件分岐などを明確に定義づけなきゃならないので、「これでシクヨロ」で済むお話でもなかったりします。

 

でも「それってどういうこと?」とかいうとなぜか詰めてしまっている様子になるからそれもまた面倒くさいという・・

説明下手だった私の部下の一人に説明術のポイントをほんの3つほど助言しただけで、突然、プレゼンテーションが巧くなったという体験をしました。その部下の急成長ぶりには、私自身が驚いたほどでした。この体験が本書を執筆する動機でした。そうです、どんな説明下手な人でも説明の達人になれるのです。私自身が身につけてきた説明術のノウハウを本にまとめることは十分意義あることだと執筆に取りかかったのです。

説明上手になれば、周囲の人は、あなたの主張を「分かった」と言ってくれます。まるで周囲を希望通りに動かす魔法の杖を持ったも同然です。この魔法の杖があれば、大きな人生の支えになるでしょう。あなたも本書を読んで説明の達人になって、この人生の魔法の杖を手に入れてください。

「説明」は情報をただ与えるのではなく、わかりやすく提供すること

著者の藤沢さんは本書の中で説明は情報を「ただ与える」ことだけではなく、、聞き手に情報をわかりやすく提供することと繰り返し述べています。

では、そもそも「わかりやすい説明とは何でしょうか。それをはっきりさせたいと思います。
私たちの生活には「説明」があふれています。二人以上で構成される社会では、必ず「説明」がつきまといます。
〜中略〜
その一方で「明日、三時から部門会議があります」ということを「知らせる」とは言いますが、「説明する」とは言いません。なぜでしょうか
国語辞典によると、「知らせる」とは「知るようにする」ことで、「説明は「相手に分かるように説き明かすこと」だそうです。
つまり「知らせる」と「説明する」の違いは、「知る」と「分かる」の違いにあります。相手を「分かっている状態」にすることが「説明する」ことと言えます。

「説き明かす」、確かにそうですよね。日本語ってやっぱり便利な言語ですね。漢字を作り上げた先人たちはなかなかやりおるな、といつも思います。
逆説的にはなりますが、意味がわかるように話すということが説き明かすことであるならば、相手が意味を理解できていなかったらそれは説明したことにはならないということですね。

 

さらに言うならば「話し手の意図を正しく理解している」状態を作り出すことが説明するという行為の本意であって、それができていなければ残念ながら、説明が出来ていないに等しいことになりますね。

分かりやすい説明とは脳内関所を通りやすくする

僕がこの本を読んで一番共感した(と言うととてもおこがましいが)点がこの「脳内関所」という表現。
なるほど、上手いこと言うなーと。

「分かりやすい説明」とは「脳内関所を通過しやすい説明」のことです。
「脳内関所」とは、脳の短期記憶領域を意味する私の造語です。

著者曰く、短期記憶・長期記憶の情報の吟味、記憶を格納するための情報の整理などそうした「仕分け」をしているところが「脳内関所」だと言います。

 

たしかに誰かに何かを話している時に「関所を突破できていない」この感じを味わうことありませんか?
なんか腑に落ちてなさそうな時とか。

 

どちらかというとこれは自分が聞き手の時の方が多い体験かもしれません。
例えば部下からの報告を受けた時、あるいは後輩の作るスライドを見た時なんか特にそう。
5W1Hや主語が欠けていたり、冗長であったりと「ん?」と頭の中に「」が浮かぶ瞬間があるというか、一瞬考える時間を要してしまうとか、なんかバリアフリーデザインじゃないあの感じ。

 

脳内関所で行われるはずの作業を、なるべく事前に代行処理し、脳内関所の作業負担を軽減すること」これが脳内関所を通りやすくすること、すなわち、説明することの定義だと著者は語っています。

聞き手とのタイムラグを知れ

★映画館ではゆっくり歩け
上映中の映画館に入ると、最初のうちは目が慣れていないため、真っ暗で何も見えず、〜略〜しばらく経つと目が暗闇に慣れ、通路も歩くことができるようになります。

映画館に先に入っていたあなたが、遅れてきた友人を席まで案内すると考えてください。
すでに暗闇に慣れているあなたは、通路もよく見えます。そこで、映画館に入ったばかりの友人を足早に誘導しようとします。

ところが暗闇に慣れていない友人は、歩くのもおぼつかなく、つまづいて転ばないかと恐怖さえ感じているのです。

これもまさしく、先ほどの部下からの報告やプレゼンの場面など、様々なシーンでよく見る光景ですね。
またまた言い得て妙です。

 

部下が相談してくる場合、話したい内容にはもちろん本人は熟知していますし、なんなら「考え抜いた挙句、答えが見つからず・・・」というその件について今まさに熟考したぜ、というタイミングで来る場合がほとんど。
つまり、映画館に入って、十分時間が経って「目が慣れている人」なんですよね。

 

でも受けるこちらとしたら、「●●ってやっぱりxxですかね?」とか突然言われても何の話かもわからないし、かろうじて何の話をしているかわかったとしても、どういう経緯でその答えに至ったのか、あるいはどういうアプローチをしたのかがわからなければ、短絡的なのか論拠があるのかわからず、評価のしようがありません・・・

 

初めて聞く人、準備ができていない人、まだその話題に慣れていない人、頭が切り替わっていない人。そうした人へ配慮を持っていかに「脳内関所」を通過するか。

 

そういう意味でも、報連相というのは「自分の思考を説明する」ことを鍛えられるいいトレーニングなのではないかなーと思います。

説明とは引率である。

「分かりやすい説明」で人を誘導、引率することは、健全なビジネスのキーポイントです。
人は迷わされることが嫌いです、「迷う」というのは「自分がどこにいるかわからない」という意味でしょう。
これは町を歩いている時のような物理的空間の中で迷う場合だけでなく、説明を聞くときも同じです。「今、どこ(何)を説明されているかわからない」のは嫌なものです。

誰かに何かを説明するときは、聞き手にこうした不快感を与えないように配慮が必要です。

本書の中では、団体旅行の添乗員や観光地のバスガイドさんの引率の心構えを参考に大まかに以下の3点に絞って、わかりやすく説明してくれています。

❶全体像を示す
❷これからの展望を話す
❸時折、現在地を教えてあげる

具体例としてはこんな感じ・・・

①まず、博物館の構造、展示物の量、配置などを説明する。
②ポイントになる展示物のところへグループを連れて行く(引率)。その際、お年寄りなど足腰の弱い人に歩行速度に合わせて、ゆっくりと無理のない速度で歩く。
③移動(引率)中は、時々振り返り、グループ全員が後をついてきているか確認する。
④時々、今見ている展示物が博物館全体のどのテーマ区画に属するのか、また、まだ見学していない展示物がどれくらいあるかなどを知らせる。

プレゼンのスキルがどうだとか、話し方がどうだとかそういったことを頭でっかちに学ぶより、「こうした気配り・気遣いを持って話すこと自体が説明するということだ」という心構えを持つことの方がはるかに意味があるように僕も思えます。

それ自体が行動の拠り所にもなりますしね。

こちらの本もオススメ!

PC用アドセンス

PC用アドセンス

CATEGORIES & TAGS

ビジネス,

Author: