『カープ女子』
その名前を聞いたことはありますか。
日本のプロ野球広島東洋カープを愛し、ユニフォームやグッズなどを身に着け、カープを応援する女子たちのことを「カープ女子」と言います。
近年このカープ女子が増え、また勢いをつけていますね。
「○○女子」というのがなにかと流行っていますが、カープ女子はブームではなく、頭角を表してきたという表現の方が近いかもしれません。
実は流行語に選ばれていちゃったりもします。
ただでさえ、広島カープのファン層というのは球団への愛着が強いのですが、それが女の子ともなればもっとすごい!
女性ファンに特化したマーケティング戦略として、世界に類を見ない例として注目されていて、なんとメジャーリーグのチームもその影響力や宣伝効果を研究しているとか…
カープのユニフォームは、球界内で唯一「赤色」があしらわれている。
このチームカラーでもある「赤」のかわいさが人気の一つであるといってもいいと思う。
が、決して彼女らがカープファンになった理由はそこではないのもまた事実だ。
「赤色」がかわいいからカープファンになったわけではないはず!
カープファンの女の子に「赤色」がよく似合っているから、メディアなどで取り上げられやすかった。
それがこの認知度や勢いの火付け役の一助を買ったとも言えるかもしれない。
実際、カープの赤色は「女の子の色」とバカにされていた時代もあったという。(「ミスター赤ヘル」とかそれよりもっと前の球団創設期)
それがホントに「女の子」が着るとよく似合ったのと、「カープ女子」というネーミングの良さがこれほど市民権を得た理由だろう。
12球団で唯一の独立採算制を取っている広島カープ。
他球団であれば、チームが「企業の広告塔」を担っていることもあり、球団の赤字は企業から補填を受けるか企業の宣伝広告費として経費処理される。
それがない広島カープはまさに市民球団であり、経営がシビア。
巨額のお金がかけられない。
つまり「年俸の高い選手は獲得出来ない」あるいは「良い選手は多額の金で引き抜かれる」などの辛酸をなめている。
そうした不遇な立場に心揺さぶられ、共感を生んでいることは間違いない。
また誤解を恐れずいえば、「若手選手の人気」もある。
ある種アイドル化しているともいえるかもしれない。
前田健太や堂林翔太などルックスも良く、可愛げのある若手選手が頑張る姿に、母性本能くすぐられてハマってしまうのだろうというのも定説になりつつある。
このカープ女子という言葉はそもそも「東京でカープを応援する女子」を指したのがその先駆けだ。
地元というわけでもなく、縁もゆかりもない広島カープの応援に神宮球場や東京ドームに女性が走り、球場を赤く染める。
そうした事情もあってか、普通の「野球ファン」よりファン同士の横のつながりも強い。
定期的な会合やフリーペーパーの発刊、また球団側も東京のカープ女子を広島へ招待するツアーを企画したりしている。
本来男性文化であった野球観戦の世界で女性同士のつながりが出来るのは、ファンにとってもうれしいはずで「仲間意識」が芽生えるキッカケにもなっているはずだ。
どんな製品でもサービスでも触れてみないことにはわからない。
細かい戦略はわからないが、「経験」をさせてことは大きな意義があったのだと思う。
野球を見なかった人が「あ、意外と野球もいいじゃん?」と思えたり、そうした「ライブ」な体験がファンの獲得にはものすごく重要なんじゃないか。
で、そこで幻滅させないためにも「商品」の価値を高めておくことは必須でしょうね。