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ブレイクスルーを起こせば、人生ごぼう抜き

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スカイツリーの【能×VJ LIVE】がなんだかカッコよさそうだぞ、おい。

2017年5月9日


能×VJ LIVE

そんなおもしろそうな話を見つけた。

能×VJそれがこの吊り革広告。

この能装束のビジュアルアーツがなければピンと来ないだろうなという「能×VJ

 

ジャパニーズクールな感じでちょっとかっこいい。下手にやると下品になりかねないところをうまくまとめてます。

期 間 2017年5月20日(土)、21日(日)
場 所 東京スカイツリータウン4階 スカイアリーナ
時 間 20日(土) 11:00、14:00、19:00
21日(日) 11:00、14:00、18:30
出演者 宝生 和英(ほうしょう かずふさ)氏

能×VJイベントの詳細やいかに!

そもそもVJってなんぞやという方へ

VJ 能 コラボ

DJはご存知ですかね。ディスクジョッキー。
それの映像版みたいなもんなんですよ、ヴィジュアルジョッキーとかビデオジョッキーとか言われてます。

最近はクラブやロックコンサートではアタリマエな演出になってきています。

 

照明ではなく、例えば背景のスクリーンに投影するようなやつですね。
そういう「映像素材」で演出するんです。

 

あとは最近はホログラム(立体映像)とかも増えてきましたね。
パヒュームのコンサートとかね。
http://www.pronews.jp/column/20160315130009.html

 

まあそんなイマドキなやつと、
伝統芸能である能がコラボなんて!ワクワクドキドキ!スペクタクルぅ!みたいなね、感じなんでしょうね。

 

2017年の正月には野村萬斎が総合演出として似たような企画をやってましたねー。
FORMというやつ。

メディアアーティストの真鍋大度と一緒に三番叟やってました。

にしても野村のおじさんはほんと色々やるわ。

で、なんてまた能×VJなんてやるのかというと…

能×V

実はコレ、スカイツリーでのイベントなんです。

今年がスカイツリーの5周年で、
どうやらそのアニバーサリーイベントを企画しているようでして。「下町ワンダーランド計画」と銘打って。

で、そのメインイベントとしてこの…

 

 

能×VJ

 

 

ノウカケルブイジェイ、yeah!

 

な企画があるようなんです。
そのほかにも色々企画はあるみたいで。

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たとえば
スカイツリーではいま「粋」「雅」という2つのライティングパターンがあるのですが、それに次ぐ、“第3のライティング”の名称発表と点灯式を開催したりとか。

東武タワースカイツリー(本社:東京都墨田区)および東武タウンソラマチ(本社:東京都墨田区)に て運営を行っている東京スカイツリータウンは、2017年5月22日(月)に開業5周年を迎えます。 5周年を機に開業以来、国内外から多くのお客さまにご来場いただいてきたことに改めて感謝申しあげる とともに、これからの新しい時代を見据えた「シタマチ・ワンダーランド計画」を掲げ、ここ下町エリア にある東京スカイツリータウンで、ご来場いただいたお客さまが楽しさや喜び、感動を体験できる施設 となるよう取り組んでまいります。

東京スカイツリータウンでは、開業5周年を迎える5月22日(月)に先駆けて5月18日(木)に 東京スカイツリー®の第3の新たなライティングの名称発表と点灯式および開業5周年のメイン プログラムである「能×VJ LIVE」の予告公演を行います。
〜引用:東武鉄道株式会社 4月19日発表リリースより〜

とはいえ、この能×VJをかなり全面に押しているんですよね。

なんでしょうね。新しいライティングは赤い「炎」をモチーフにしたやつとかになるんですかねー。

やる演目とその中身はいかに

能の公演は、室町時代から続く能楽の名門『宝生流』の二十世宗家 宝生和英氏が担当します。 こかじ
また演目は、能の中でも、お正月や節目の行事など、お祝い事で取り上げられることが多い「小鍛冶」を
披露します。展開が素早く、非常に変化に富む「小鍛冶」をLEDの屏風を背景に、炎をモチーフにした
迫力ある映像で刀を鍛錬するシーンなどを「VJ」で表現し、東京スカイツリータウン開業5周年に
ふさわしい内容をお楽しみいただけます。
〜引用:東武鉄道株式会社 4月19日発表リリースより〜

だそうです。

僕はこういう試みには肯定的なんです、というのも

能楽堂の写真

多分、伝統芸能がこういう「にぎやかし」的に使われるのは反対するひとも多いかと思うんです。

 

でもね、なにかのオマケ的というかバックダンサー的に「能」が扱われるわけではなく、主役ですからね。
また意味合いが違うと思うんですよ。
東武側、宝生家側のどちらが話を持ち込んだのかは分かりませんが、

 

僕は試みとしても面白いと思うし、イベントとしてもものすごくいいと思うんですよね。
お互いの目指したいものが合致しているような感じもしますしね。

 

やはり伝統芸能とかを本当に残していきたいのであれば、きちんと残しつつも一方でこうした変化も同時に必要なのかなと。

 

 

同じことをやって違う結果を求めるのは狂気だ

 

 

とアインシュタインくんもベロ出しながら言ってるわけですよ、お前キチガイかと。

 

裾野を広げるってのはとても大切で、いわば潜在客・見込み客ですからね。
(こういう話をすると芸術畑のひとは、商業じゃないとアレルギー起こします)

ただ、ここで大切なのはどれだけ入り口を下げようが裾野を広げようが
見せるものは「本物」であること。

消費者はそんなアホじゃありません。
ごまかせませんし、伝わります。

キッカケがなんであれ、いいものを見ればいいと感じると思うんです。

 

だから、「これはイベントだから」と手抜きはもってのほかですが
作品もなるべく「本物」のまま見せる。

 

例えば、クラシックコンサートで言えば

「曲がめちゃくちゃ短くなってる」
「オケがTシャツで出てくる」

とか。

どうしてそういうことやっちゃうのかなーと。

歌舞伎役者とかがそのあたりうまいなーと思うのは、
色々なメディアに出てみたり、アニメの声優やってみたりと、歌舞伎役者である「自分自身」の「敷居を下げること」はしても、敷居の向こう側の「歌舞伎そのものの品質」を下げたりはしないんですよね

 

高尚ではないですよ〜なんて言いつつも、やっぱり高尚なんだと思うんですよ。
高尚というのはつまり、万人に理解できないかもしれないと。
理解できないかもしれないというのは、ある程度の教養(時代とか)や聞き方そのジャンルでのバックグラウンドの知識だったり、「馴染み」がないとすぐには分からない。

 

でもアタリマエなんですよね、脈々と時代を経て受け継がれて、昇華されてそうなっているわけで
それは一朝一夕でわかるものではないかもしれないし

であるならば、その「高尚なもの」それ自体のレベルを「わざわざ」下げる必要はないんですよ

もしそれでも抵抗があるなら、これは「能」ではないと割り切ってもいいんだと思います
エッセンスというか表現技法を用いているだけの、featuring能(風)みたいな。

 

その点うまくやっているのがやっぱり萬斎おじさんなんですよねー。
冒頭に紹介したFORMも伝統芸能に内在するFORM(様式や型)を普遍的なものとして現代表現の中に盛り込むという趣旨の企画でした。

うまくいえないですけど、なんでしょうね。
たとえば、武田双雲。

彼が書道会的にどういうポジショニングなのかはわかりませんが
彼が書いた映画の題字とかをキッカケに「書」にハマる人がいるかもしれない。

あるいは映画音楽。
ゴリゴリの現代音楽家が映画音楽を書いて、それをキッカケにそのひとの純音楽のコンサートに行くかもしれない。

さて、どっちが社会に価値を還元してるでしょうねー。

とにもかくにも、いろんなことは「キッカケ」次第なのかなと。
それこそ僕が能・狂言を見るようになったキッカケも知人に誘われたからですからね。

ということで、行ってきました。(後日追記)

能×VJ 当日

ということで初日の夜、行ってきました!

なんかいいですね。
まるで薪能のような雰囲気。

デジタルな映像で松明なんかも投影されていて、現代版薪能といったところでしょうか

能×VJ 様子

思っていた以上にすごい人だかり…
ざっと300人くらいはいそう…

R0075232囃子方が上がってくる前、冒頭にナレーションと映像で小鍛冶のストーリーを伝えています。
ここらへんは優しいですね。

でもとにかくカッコイイ感じに見せています。
ワクワクさせてきますね。。
R0075234

後シテ(霊狐)の登場。

薄暗い夜にデジタルな背景に、赤頭がよく映えること。
おーっ、という歓声がチラホラ聞こえてきたのはオドロキでした。

映像は意外と控えめ。

R0075235とはいえこれだけ色味が変わる、そして背景が変わるのはやはりVJならでは。。
幽玄という能の世界とは真逆なのかもしれないけど、これはエンタメなのかもしれない・・・!

 

そう感じさせてくれます。

なんか不思議ですよね。
700年以上前の芸能と最先端のビジュアル技術と現代建築が同じ場所にあって、それを見ている、って。

 

 

能舞台で見る能とは違う良さがありました。
というよりこれはきっと能ではないんだと思います。

特に専門家から言わせると言語道断なんだろうな、と。

それでもいいんです。
だって、楽しかったですから。

なんだかいつもと違う夜を過ごせる、しかも騒がしいのに美しい装束を見て
お祭り気分な感じもする。。

 

能の歴史のとか、風俗としての位置づけとかよくわからないけど
幕府の庇護を受ける前はこんな雰囲気で見てたのかなーなんて思ってみたり。

まあ、いずれにせよ、偶発的にも今日初めて能に触れたひとはきっとたくさんいて、
で、多分よう分からなくて、「能とは?」とか「能 歌舞伎 ちがい」とか「小鍛冶」とか調べるんだと思います。
それってすごいことだと思うんですよ。
ふつうに能楽堂でやってるだけじゃ、絶対に興味を持ってもらえなかったセグメントのひとに
少なからず興味をもってもらえた、そのキッカケとなったわけですからね。

6回公演があるうち、の毎回数%のひとが「今度能見に行ってみよう」って絶対思うはずですから!
結構な人数だと思うんですよね。

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